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「…それは」
みんなゴクッと唾を飲み込む。
「悪魔を召喚する方法」
「「…は?」」
優理と円の間の抜けた声が響いた。
「悪魔を召喚する方法…って、なんかすごいね」
「そう、見つけた時に買おうと思ったらお金足りなかった。
だから直ぐに家に帰ってお金を持ってきたらもうその本はなくなってた…」
「誰かが買ってったとかじゃなくて?」
空が首を傾げて聞くと亜理沙は首を振った。
「お店のおじさんにきいたらここ二日間は一冊も売れてないって言ってた。
…まさにミステリー」
亜理沙はグッと拳を固めて誇らしげに言った。
それを見て空以外の二人が呆れている。
「悪魔かなんだかしらないけど、それが恋愛となんの関係があるわけ?」
優理の質問にみんなもウンウンと頷く。
「その本によると、悪魔ももとは人だったらしい」
「私たちと同じ?」
「そう。
悪魔とは、人として生きていている間に何らかの罪を犯してしまい、
その罪を償うために悪魔とされ、蔑まれた。
そして、神は彼らをまた人としてやり直させるために使命を与える。」
「…どんな使命?」
亜理沙は少し目を伏せて口を開く。
「それは…
人間の願いを1つ叶えること」
不思議と、亜理沙のその言葉のあとに冷たい風が吹き抜けていった。
「彼ら悪魔の罪とは主に命に関わったものとされる。
神から与えてもらった最大の恵みである命を無下にしたため、
その償いとして今ある命の役に立つことが使命とされた…と」
亜理沙は空の正面に立つ。
「もし、空がその願いを叶えたいなら…
呼び出す価値…あると思う。」
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