【付録】

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【長谷川亜子の場合】 in Los Angeles 「ぁあ~よく寝た…」 「ホントよく寝てたよな… 俺、腰痛くて何回も起きたわ」 「何それ何気に足長いぞアピール?」 「だってホントの事じゃん? 仕方ないでしょ?」 篤史は私を見下ろして私の好きな顔で笑った。 篤史はいつもの様にスッと手を伸ばし… 私はいつもの様に差し出された手をギュッと握る。 もうこの手を二度と離したくない。 私達は一度お互いを見失い… それでもまたお互いを必要とし二人で支え合いながらお互いの夢に向かって生きていく決心をした。 そしてやっと夢が形を表し初めた去年… 私達は結婚式を挙げた。 結婚式は挙げたけど… 篤史はスタイリストの仕事が増えてきて忙しい時だったし‥ 私は地元フリーペーパーで仕事を任される立場になっていて‥お互い新婚旅行に行ける様な状況じゃなくて‥ 新婚旅行はお預けだった。 それから一年後‥ やっと私達にも余裕が出来て ココ Los Angelesにやって来た♪ 篤史はスタイリストと言う仕事柄ショップや古着屋巡りが目的らしいが‥ 私はこの旅の最後のLas Vegasが目的だったりする‥ 「外人さんばっかだね…」 「そりゃそ~でしょ? ココ空港だし… つーか俺達が外人さんでしょ」 「そりゃそ~だけどさ… 芸能人とかいないかな?」 「相変わらず亜子はミーハーだねぇ(笑)」 「そりゃ篤史はモデルさんとか芸能人見慣れてるかも知れないけど私みたいな地元フリーペーパーじゃそ~ゆ~のナイんだからそりゃ芸能人見たらテンション上がるわよ! ぁあ~ぁあ~… “Moonscape”のツアーの最終地点がロスだったら良かったのにぃ~」 「KIYOに会えたかもって? もしそ~でもあのKIYOがネズミの王国にはいないでしょ?」 「わかんないよ?KIYOプーさん大好きだもん…(笑)」 そ~言いながら私だって そんな事あるわけナイって思ってた。 そんな事… あるわけナイ。 そんな事が起きるのが 現実なんだと 私達は思い知らされる。 そしてそれは ショップ巡りやLas Vegasよりも強烈に胸に残る 決して忘れられない 新婚旅行の思い出となる。
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