終章

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*20××年7月* 眩し過ぎる太陽にも 負けないくらい この日のマコは 光り輝いていた‥ 雲ひとつない空の青が 純白のウェディングドレスを より一層引き立てていた。 その後ろには とても綺麗とは言えない 古くて小さい小屋の様な教会‥ 「素敵な教会ね… 私‥ココがイイ。」 マコは俺が捨てられていた教会を見てそう言った。 マコと出逢い‥ 生まれて初めて恋に堕ちた。 それを運命だと感じるのに 時間はかからなかった。 二人で話し合った結果‥ スペインで暮らす事になり‥ マスターは1週間寝込んでしまったが‥ 同じスペイン人の友達を紹介したら‥ 心の底から俺達を祝福し 婚約パーティー&お別れ会までして送り出してくれた。 そしてマコがスペインへ来て 一番始めに行きたい。 と言ったのが この教会だった。 スペインのガイドブックに載っている教会とは比べ物にならない代物で‥ 俺にとって必死に思い出してもイイ思い出なんて出て来ないこの教会を見てマコは‥ 聖母マリアの様に微笑んで そう言ってくれた事は 今も鮮明に覚えている。 その時‥ 俺は生まれて初めて 生まれた意味を 知った気がした。 木彫りの天使と一緒に 俺がココに捨てられた意味を‥ 全ては‥ マコに出逢う為。 そう思ったら‥ 今までの苦悩も やり場のない感情も‥ 全て水に溶けていく様だった。 そしてマコは‥ 二人きりの結婚式で… 「天使と悪魔が祝福してくれてるみたい‥」 そう言って 太陽より眩しい笑顔で笑った。 「旦那のお許しが出たのかもな‥♪」 「アベルの両親のお許しも出たのかもね♪」 「‥???何で俺が悪魔の子なんだよっ!!?」 そう言って二人でじゃれあっても‥ マコの肩に乗っかっていた 白い羽根と‥ 俺の肩に乗っかったっていた 黒い羽根は いつまでも俺達に寄り添っていた‥。 俺はこの時‥ 悪魔の子でも 生まれて良かった。 そう思った。 だって‥ マコと出逢えたから。 悪魔に魂を売ったって‥ マコを離さない。 マコをひとりにしない。 約束は‥必ず守ってやる。と‥ 俺は俺に誓った。。 眩し過ぎる太陽の下で‥ それに負けないくらい 輝いているマコの笑顔を見て‥ 目を閉じると‥ まるで昨日の事の様に あの日の事が‥ 今もなお鮮明に 俺の瞼に焼き付いている‥。
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