【付録】

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「アリガト。でも… プライベートで 家族と一緒だから 写真はゴメンね‥」 KIYOはムッとするどころか ウィンクをする様に 片目を閉じて 私達に手を合わせて謝った。 「いや!!そんな… とんでもナイです! こっちこそスイマセン!」 篤史も私もスッカリ恐縮してしまった。 するとKIYOがサインを書くジェスチャーをしてくれた。 私は職業柄 ペンとノートとデジカメは必ず持ち歩いていて‥ カバンの中から取り出そうとするのだけれど緊張してペンが見当たらない… も~!!何やってんのよ私! 早くしなきゃ!! そ~思えば思うほど出て来ない… 私が今にも泣き出しそうな顔で必死にカバンの中をあさっていると‥ 「あの‥俺達新婚旅行で‥ 式は去年挙げたんですけど 新婚旅行はまだで‥ んで今年やっと新婚旅行で‥ まさか新婚旅行でこんな‥ KIYOさんと‥」 篤史が間をもたせるかの様にど~でもいい事を喋り出した‥ 何回新婚旅行連発してんだか‥ そんな事KIYOにはど~でもいい話だよ‥ と思ったのに‥ 「そっか‥新婚旅行か‥ 実は俺の初デートここ♪」 え‥?マジで‥? KIYOは私達のど~でもいい話にニコっと笑って答えてくれた。 その時私の指にペンが触れ 年季の入ったボロボロのノートとペンを差し出した。 するとKIYOは 私のペンの蓋を口にくわえ サラサラっと慣れた手つきでサインをして‥ 「だからきっと幸せに なれると思うよ。 努力したらの話ね♪ お幸せに♪」 そう言ってペンとノートを差し出して‥ おまけに手まで差し出してくれた。 「アリガトーございます!! 努力します!!」 篤史が握手をしてもらい‥ 私の番なのだが‥ 手が震えて‥しかも泣きそう!! 「新婚旅行で泣いちゃいかんだろ?笑っとけ♪」 KIYOは私の手を握り そう言うと‥ 「んじゃね♪」 と言ってすぐ近くのお店へ走って行き‥ 流暢な英語で何やら大量にオーダーをしていた。 私と篤史はKIYOに圧倒され しばらく動けないでいた。 少し冷たいKIYOの手の感覚が いつまでも 私の手に残っていた。 何だろうこの感覚‥ どこかで感じた事のある様な‥私は‥これと同じ様な感覚を知っているかも‥ でも…それが何なのかは 私の一生解けない謎となった。
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