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「KIYOって…
すげーイイ人だな…」
「うん…。」
「何かさ‥もっと偉そうって言うか…芸能人芸能人してるかと思ったけど‥めちゃくちゃイイ人だな…」
「うん…。」
「それに…めちゃくちゃカッコいいな‥」
「うん…。」
「亜子‥大丈夫？
さっきから“うん”しか言ってないけど‥」
「大丈夫じゃないわよ!!
まだドキドキしてるわよ!!
まだ信じらんない！
帰りの飛行機堕ちるんじゃないかと思うわよ!!」
「確かに‥そんくらいの確率かもね‥」
そ～よ‥
きっとそれくらいの確率。
私と篤史がしばらく呆然としていたら‥
そんな私達の横をKIYOは
「真ぁ理ぃ～♪
セーラぁ♪キオト～♪
パレード見に行こ～♪」
と‥ポップコーンとかチキンとかジュースとか‥
両手いっぱい抱えて走り過ぎて行って‥
そのギャップにまたしても圧倒され‥
私達もやっと食事を調達しパレードを見に行く事にした。
“Moonscape”はファンの間ではファンを大切にする事で有名だけど‥
やっぱりネットとかには悪い噂があったりして‥篤史みたいに先入観やらでそう思っている人も多いだろう‥
それは芸能人の宿命かも知れないけど
コレだけの人気を今も維持しているのはやっぱりイイ人だからだとそう思う。
芸能界みたいな厳しい世界で生き抜くにはきっとイイ人じゃないと残れない。
だって‥顔も名前も知らない会った事も話した事もナイ人を夢中にさせるんだから…
「座れないけどココでいい？」
「うん…。」
私達はKIYOに気を取られ
スタートダッシュが遅れてしまいパレードの最前列は確保出来なかったので立って見る事にした。
するとパレードの通りを挟んだ目の前の最前列に‥
奥様の肩に手を回しピッタリ寄り添うKIYOと‥
KIYOと奥様の膝の上にちょこんと肩を並べて座っている子供達がいた。
「KIYO‥だよね‥。」
「うん…。」
これじゃ
パレードどころじゃないよ…
私達はまたしても
釘付けになってしまった。
パレードよりキラキラした
KIYOの家族に‥。
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