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パレードが始まるまでの間
KIYOはお子様と一緒にチキンやらを食べていて‥
お子様の手を拭いたり口の回りを拭いたり‥
ジュースを飲ませてあげたり‥
ビックリするくらい
良いパパだった。
それでも体の半分はピッタリと奥様にくっついていて‥
一瞬たりとも離れない。
男の子が奥様にしがみつくと
それ以上にKIYOは奥様にくっついて‥
女の子がKIYOにしがみつくと
女の子と一緒に奥様にくっついて‥
まるで団子状態だった。
そして奥様は
ずっと笑っていた。
それはそれは
とても幸せそうに‥
“笑っとけ♪”
さっきKIYOがそう言ってくれた事を思い出した。
そしてパレードが始まると‥
お子様達は大興奮で‥
キャァ♪キャァ♪とはしゃいで思わず立ち上がった所を
KIYOに頭を抑えられ‥
二人はお行儀よく三角座りをして次から次へとやって来るパレードをキラキラした目で見つめていた。
お子様達がパレードに夢中になっている間
KIYOはと言うと‥
ポップコーンを奥様の口に入れたり‥あ~ん♪と食べさせてもらったり‥
奥様の耳元で何か囁いていたり‥
とにかくラブラブで‥
それだけで見てるこっちまでドキドキしてしまうのに‥
なんとKIYOは
何度も奥様にキスをした。
奥様のほっぺや奥様の手や
奥様の耳や髪の毛まで‥
お子様が振り返っても
お構いなしで‥
お子様達にもキスをする。
KIYOの目にはパレードではなく
奥様とお子様しか映ってない様だった。
「こんな事‥日本じゃ絶対出来ないんだろな‥ココでも本当はヤバいんだろな‥俺達みたいな日本人がいるわけだし‥」
「うん…。」
篤史の目にも…
私同様パレードは映っていなかった様だ。
「亜子‥。頑張ろうな…
俺達も努力しような‥」
篤史が私の腰に手を回し
グッと引き寄せた。
「うん…。」
私が頷くのと同時に
篤史は私の唇にそっとキスをした。
あのKIYOだって‥
努力ナシで今の幸せがあるんじゃナイ。
私達も…
KIYOの家族の様に
パレードより光り輝いた
素敵な家族になれます様に…
「篤史…私…
子供欲しくなっちゃった…」
「俺も…そう思った。」
「できれば…
男の子と女の子の双子♪」
私と篤史は声を揃えて
またキスをした。
そして私達は見事
ハネムーンベビーを授かる事になる。
これが夢の国で起きた
夢の様なホントのお話。
【end。。】
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