眼帯の奥と

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「不動お前、疲れてるか?」 「あぁー……いや、飛行機の中で大分寝たから大丈夫だが、時差ボケが……」 車を走らせながら佐久間は言う。 「ビジネスクラスだっけ?」 「快適」 俺は口元をふっと上げ、笑った。 「どこ行きたい?」 「んー、お前行きたいとこあんだろ」 「あ、バレた?」 当たり前だ。ずっと顔がにやけてるぞお前。 季節はゴッドエデンにいたときとは違い、冬が近づき、秋の冷たい風の匂いがした。 どことなく、切なさと憂いのひんやりとした。
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