とある男の人生の最期

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ベットが膨らんでおりその枕元にある目覚ましが鳴り響いている。だが、その目覚ましの主は目を覚まさない様だ。やがて充電器に繋いである携帯のアラームもなり始める。携帯のアラームがなり始めてから約2分後、家のインターホンが鳴った。その時には既にアラームは2つともなり終わっていたが、ベットの人物はやっと起きた様だ。二階から降りて家のドアへ向かう。 この人物が今作品の主人公である 山本蓮 読み方はそのままで現在17歳の男だ。 蓮の家族は元々は四人家族。両親と蓮と3つ下の妹の結衣だ。四年前までは何処にでもいる平凡ながらも幸せな家族だった。 だが、四年前、両親と妹が乗った車が大型トラックと事故を起こした。買い物へいく途中の事であった。両親は即死。妹は一命を取り留めたものの、頭を強く打ち一ヶ月間意識を失ったままであった。一ヶ月後、結衣が蓮が見ている中目を覚まし、蓮はとても喜んだがその口から放たれた言葉は 「誰?」 当時、両親を失った事により精神的に不安定な中唯一の"光"だった結衣の一言。 壊れるには十分過ぎる物だった。 結衣の記憶喪失の原因は頭強打による物理的脳細胞の損傷であった。奇跡的に損傷が激しかったのが記憶を司る大脳皮質であったため後遺症は記憶を失うだけとなった。むしろそれだけで治まったのが奇跡に近かった。 その後精神的に厳しい状態にあった蓮はそのまま二年間精神科病院に入院。 その間に決まった事として、 ・結衣は施設に預ける ・遺産、家は蓮に譲渡 ・結衣の施設代は交通事故の相手側が負担 ・結衣の負担を配慮して、蓮と会うのは結衣が成人になってから という風に決まったようだった。 病院を退院した蓮は15歳。両親の親族からは引き取りを拒否され、両親が残した遺産と家のみが残った。 遺産で残り少ない家のローンを払ったが、その結果お金がなくなったため、高校など行く金もなく働く事にしたのだ。
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