哀愁診察室🏥

あの人

この診察室は自由です。

医師の私だけ

しかも、白衣は着ません。

記念すべき最初の相談者は……

相談者（彼女）の旦那様は……

今年の初め 他大学の医大病院で 苦しい闘病生活を終えて…

苦しんだ末、亡くなった。

相談者 告白：

私は癌告知の後 茫然と泣き崩れて もう 駄目だ と言う彼に 頑張って 抗ガン剤と放射線療法をやって、癌に勝とう、頑張って 頑張って 頑張って と言ってしまいました。

結果、僅か２ヶ月後に亡くなった。

あの人は 言ったんです、 俺は癌に負けた と……。

頑張って と言った私が悪いのでしょうか？

あの人 は どう思って亡くなったのでしょうか？

里崎医師「担当したナースに聞きました。

患者さまは、入院中こう言っておられたそうです。

あいつ（妻）には、感謝しているんですよ。
ここまで来れたのは、彼女のおかげです。
この年になると、恥ずかしくって 面と向かって言えんのですよ～」

ははははは…

相談者は、頬に流れるものを拭おうともせず……

『先生、ありがとうございました』と言って……

去って行った。