堂々巡り

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その会議がいつから始まったのか。 もはや誰一人覚えてはいない。 「仕方がないことを考えていても仕方がない」 「仕方がないという奴が、たいてい一番仕方がない」 「仕方がないなんて絶対にいうな!」 「仕方がないというよりも……どうしようもない」 「どうしようもないことを考えていても、やっぱり、どうしようもないじゃないか」 「どうしようもないという奴が、たいてい一番どうしようもない」 「どしようもないなんて絶対にいうな!」 「どうしようもないというよりも……致し方ないっていうか」 「致し方ないことを考えていても、やっぱり致し方ない」 「致し方ないという奴が、たいてい一番致し方ない」 「致し方ないなんて絶対にいうな!」 「致し方ないというよりも、詮無い」 もはや何の会議だったのかさえわからぬまま、 しかし、会議は一向に終わる気配を見せなかった。
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