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男は夜の繁華街をさまよい歩いていた。
キラキラと輝くネオンの光を浴びる男の顔は枯れた花のように萎んでいて、かなりの闇を抱えているように見える。
フラフラと、足取りも覚束ない。
「危ねぇなゴラァ!」
と、柄の悪い通行人にぶつかり激しい罵声を浴びせられるが、男の耳には届いていない。
「チッ」
そのことに気づいたのか、通行人は彼に唾を吐きかけると苛ついた歩みで去っていった
「…………」
男の身体は外界を歩みながら、その精神は彼方にあった。
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