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階段を上がろうとするオレに向かって後ろからさっきの事務員が帰るときに声をかけるように言ってるのが聞こえた。
返事をしながら階段を上がっているとバターンッと大きな音が聞こえた。
(オレの教室の方?)
急いで向かう。
誰かが教室の前でしゃがんでいた。
(?)
近づいて見ると
「お前!!」
オレの声に驚いたかのようにそいつはこっちを見た。
「先輩!!!!」
そこにはオレの想い人がオレの消しゴムを持って呆然としていた。
そうオレのあの消しゴムを持って。
しかも中(名前)が見える状態で。
「お前なにしてんだよ?」
テンパっているのを隠そうと平然を装いそいつの後ろの机を見た。
廊下にあるはずのないオレの机があいつの後ろで倒れていた。
さっきの音は机が倒れた音だろう。
「そんなことより先輩は僕に言うことないんですか?」
「はあ?」
言うこと?
こいつに?
なにを?
オレにはよくわからなかった。
消しゴムを見られたからオレがこいつを好きなのは90%バレてるだろう。
だからといって玉砕するのがわかっててすることなんてないはず。
口止めをしろと言うことだろうか?
おオレがしばらく黙って考え込んでいると前からため息が聞こえた。
「ここに僕の名前を書いた理由を教えてください」
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