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寝付けない夜｡
布団から這い出し､煙草に火を点けた｡
赤い灯だけが､ゆらゆらと揺らめきながら移動する｡
ｶｰﾃﾝを開け､月明かりに照らされた部屋で一人､物思いに耽っていた｡
ふと､誰かの言っていた言葉を思い出した｡
『月明かりの下で煙草吸うと､煙が青く見えるんだよ｡』
ﾎﾞﾝﾔﾘと天井に上がっていく煙りを見つめる｡
形を留めない煙が､ﾌﾜﾌﾜと漂っていた｡
一口吸うと､赤い灯が強く光り､一旦煙が止まる｡
口を離すと､勢いよく､真っ直ぐに昇っていく｡
煙草を振って､輪っかを作ってみる｡
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