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並木道を通り、マンションとマンションの間を縫って歩くと、僕の通う学校に着く。
五月に入ってからは、教師生徒それぞれが受験やら今後の方針を考え口に出し、教師は熱心に教え、生徒は熱心に勉強する。
かく言う僕も、成績が悪いという訳ではない。ある程度の点数は取れているし、課題も必ず提出している。
少なくとも学校生活上は、良績と言ったところだろう。
歩いて教室に向かうと、部活動の終わりを告げる鐘、兼ホームルーム十五分前を示す鐘が鳴った。
教室に入り、自分の窓際の中間に位置する席に座る。いつも通り鞄から文庫本を取り出し読み始める。
朝はいつもこんな感じだ。周りの人とは極力関わらない、いや、関わりたくないがための最低限の行動だ。
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