*九月三日のLHR

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「なんだったら組もうか? 俺」 「そうだね。いちかも陽ちゃんなら多少は平気でしょ?」 「……陽。いちかになんかあってみろ」 「俺は光一と違って慎重だから大丈夫」  目が合えば火花が散り、会話をすればいがみ合い。だから学校では近づかず話さず、がこの二人のルール。  それを破ってまで、陽ちゃんはいちかのことを考えてくれたんだろう。  やさしくて大人で、周りから信頼されてるのもこういう面を見れば納得。 「陽ちゃんありがとね。ほら、いちかも」 「あ、ありがとう! あたし足遅いけど……陽ちゃん頑張ろうね!」 「うん」  あれ、陽ちゃん顔赤い? ひょっとして、いちかのこと好き……なのかな?
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