*九月三日のLHR

4/8
前へ
/60ページ
次へ
 あたりを見渡すと、少しずつではあるが決まりだしていて、騒いでたり本を読んでたり。  チャイムまでは、まだ二十八分もある。 「ねぇ希理! もう光ちゃんと組んじゃった?」 「当たり前だろ? 俺とキリーは相思相愛なんだから」 「まだ相手決まってないの? いちか」  ひょこっと出てきたのは、俺の幼なじみの寺島 壱伽(てらしま いちか)。女子にも男子にも人気の、明るい子。  正直俺も、昔ちょっとだけ好きな時があった。今ではいい友達としか思ってないけど。 「ほら、うちのクラス、女子四人しかいないから……女の子同士で一組、もう一人は部活の子と組んじゃった」
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加