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「両親に心配をかけたことを謝った方がいいと、言っただろ。
確かに心配をかけていることは宜しくはないけど、キミにはキミの気持ちがあるもんな。帰って素直に謝れる状況なら、家出なんてしないだろうし」
だからごめん、と彼は続ける。
その一言を聞いた瞬間、頭のてっぺんまで上っていた血が、一気に引けていくのがわかった。
そうしたら、なんだか途端に恥ずかしい。
「……わかっていただけるなら、良いのです」
あぁ、もう。素直じゃないよ私。
もっと可愛く振る舞えるなら、恋人のひとりやふたり、いたのかもしれないのに……!
恥ずかしさのあまり俯いた私に、彼はふっと笑いを漏らす。
多分、バレてるんだろうな。恥ずかしいとか、居た堪れないとか、そんな感じが。
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