第二章 親睦会

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 土曜日待ちに待った親睦会。クラスの連中はわくわくが止まらなくて寝不足の奴も居るみたいだ。僕はこの日のことを前日に春と松山さんと買い物に行かなければ確実に忘れていただろう。現に、家を出る時までブレザーで普段愛用している鞄を肩に掛けてたぐらいだ。現在は指定されていた動きやすい私服に着替えバックを背負って校庭に集合している。今日も春と登校したのだがくまが出来ておりどうやら昨夜は眠れなかった模様だ。 「お~い、早く班で集合してくれ。じゃないとバスに乗れないぞ!」  担任は少々いらついていた。五時に集まったのに生徒達が談笑をして全然班の形で集合してくれないのだ。ちなみに今は五時二十分を過ぎようとしたところだ。  後ろに並ぶ春が肩越しに話しかけてくる。 「うわー、何時になくいらいらしてるね」 「仕方ないんじゃないか、今年で副担だったのが担任まで昇格したんだから」 「それもそうだね。……私達の班はあと咲だけだね」 「そうね、あの子また前日にゲームが出たとか何とか言ってたわよ」  もしかして、あれかな。最近話題になってたFPS。家庭用ハードで有線を駆使すれば全国の猛者たちと対戦できる、あれかな。一部では評判悪かったみたいだけど大半は良い反応を示していたらしい。確か……ストーリーは全国の学生が銃を片手に戦うって内容だったはず。僕も某有名通販サイトで予約したはずだが今朝登校中に携帯で確認してみると発送はされていなかった。きっとゲームで遊べるのは親睦会から帰宅してからになる。 今の声は松山さんだ。さすがに心配になったんだと思う。ちなみに僕の前が松山さんその前が立ったまま寝ているのか四方田君だ。 「咲、来ないつもりなのかな……」 「もしかしたらそうなのかも、先日咲まだ集金のお金払えてなくて担任にせがまれてるの目にしたし」 「そうなの?」 「ええ」  咲さんの家は貧しいのかな。割って入ると。 「まだ出発まで二十分あるから大丈夫でしょ」 「だといいけど」  全体も整列ができ、校長、学年主任と順に話を進めているうちに後ろから彼女は歩いてきた。 「どもー」  即座に松山さんが首だけで振り向いて怒った。 「もぉー咲! 何でぎりぎりに到着するの? 昨日あれだけ念を押して早く来るよう言ったじゃない」  申し訳なさそうに後頭部をぽりぽりと掻いてから返答する。
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