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「それじゃあ、お前も変態だろう!中年男がメイド服だぞ」
「ちっちっち!」
人差し指を立て左右に動かし、まぁくんはニヤリとする。
「妖精は可愛いから何を着ても良いでし。これは世界の決まりでし」
「はぁ?そんな事知らない。てか中年男で腹が出てる妖精自体おかしいだろ。そんな生き物を妖精だと信じろと言う方が無理だ」
まぁくんは天藍乃空の目の前で止まり
「ぽっくんが可愛いからヤイテイルでしね」
やれやれと言うポーズを取る。
「はぁ…なんか急に脱力した…あーあ、おかず冷めちゃったよ」
天藍乃空は、まぁくんを無視して味噌汁や炒め物を温め直し食事を食べ出した。
「こらー!ぽっくんを無視するなでし。変態!」
ぴしっ。
天藍乃空のこめかみがピクピク動く。
「テンテン聞くでし」
ヒュン。
「ぶはっ」
天藍乃空は、また蠅たたきでまぁくんを叩いた。
床の上でピクピクするまぁくん。
「食事中くらい静かにしてください…僕が丹誠込めて作ったレタスが不味くなります」
その目は、怒りに燃えていた。
平均的な日本人体型。
黒いフリフリワンピのメイド服の青年。
中年男のぽっこりお腹のメイド服姿の妖精。
二人の奇妙な共同生活はこうして始まった。
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