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「お前!何食い散らかしてる!!」
天藍乃空が仕事から帰ってくると部屋中散らかっていた。
天藍乃空は足元の包み紙を取り良く見る。
赤福と知恵の餅の包み紙だ。
「何故、家に赤福と知恵の餅があるのか聞いているんだ」
知恵の餅の最後の一個を、食べながらまぁくんは
「もぐもぐ。ひぃみつでし」
ぺしっ。
「ぶっ」
天藍乃空の手には、蠅たたきが握られていた。
「ぶはっ、痛いでし」
天藍乃空の蠅たたき攻撃で最後の一個の知恵の餅に、顔が埋まっていたまぁくん。
頭には知恵の餅の餡が付いている。
「変態妖精!何故、知恵の餅と赤福があるのか教えてくれないかな」
蠅たたきを持つ指がきつく握りしめられているのを、まぁくんはチラッと見る。
「ふっ、簡単でし。知恵の餅と赤福の食べ比べをしてたでし。ぽっくん今日は餡が食べたくなったでし」
「それで、部屋中に箱が散らかっていたと?」
「そうでし。いゃあ両方美味しくて、ぽっくんどっちが一番か選べなかったでし」
ぽんぽこりんのお腹をさすりながら言うまぁくん。
「とっとと片付けをしろー」
「やでし。ぽっくん片付けなんてした事が無いでし」
「だったら覚えろ!毎日毎日、良くそんなに食い散らかすくらい食べれるな。食べるならレタスを食え」
冷蔵庫の野菜室には、まだまだレタスが入っている。
「何度言えば解るでし?ぽっくん青虫じゃないでし。葉っぱは食べないでし」
「そっくりそのまま返してやる。何度言えば解るかなぁ?部屋を散らかすなと」
天藍乃空は武器の蠅たたきを持ち、まぁくんに躙り寄る。
まぁくんも天藍乃空の動きを見ながら反撃体制に移る。
※
赤福(赤福餅)=三重県 伊勢名物。
知恵の餅=京都府 天橋立の名物。
どちらも餅に餡が乗っている。
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