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そんな平穏な日が戻って安心した天藍乃空は、何時もの様に夕食を作っていた。
サラダを作ろうと、野菜室からレタスを取り出す。
その時だった。
ぽんっ。
レタスから何かが飛び出した。
「あー。あなたは、この前のお久しぶりですぅ」
この声は、紛れもないあのレタスの精霊。
また、天藍乃空の知り合いの多数さんのミニサイズだった。
「ははは・・また、その多数さんの体のコピーかい?」
「はい」
にこにこと答える精霊。
今日の精霊は、上は白い着物に朱袴の巫女姿。
「その服は?」
精霊はくるくる周り
「この服は、今この方が一番興味がある服みたいですぅ」
「ははは・・多数さん、小学生、ナース服の次は巫女って」
天藍乃空の知る多数さんは、真面目で温和。
いつも笑顔を絶やさず、仕事は手際良く粉す人だった。
天藍乃空が、そんな事を思っていると
「あのぉ。あの妖精は、また此処に居ますかぁ」
「へ?いや、あれからは見かけないよ。そっちに戻ったと思っていたよ」
「そうですかぁ」
ぽんっ。
「居た?」
またレタスから何か飛び出してきた。
それは、目の前の精霊とそっくりだった。
ぽんっ。ぽぽん。ぽんっ。ぽんっ。
次から次へと現れる、巫女姿のミニサイズ多数さん。
たちまちそれ程広くない台所は、ミニサイズ多数さん(巫女姿)で埋め尽くされた。
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