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人だかりと言っても、5~6人の男女で、押し退けるほどでもなく、すぐに『それ』を視認出来た。
道路にうつ伏せに倒れている『それ』は、見覚えのあるキャラクターのついたスウェット姿で、頭部から僅かに血を流し、顔をややこちら側に向けて倒れている。
『それ』は…紛れもなく『私』だった。
(あれが、私?)
(じゃあ今の私は誰?)
『私』を見ている『私』
『私』だった筈の『私』が、今は見知らぬ他人のように思える。
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