3.見知らぬ私

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人だかりと言っても、5~6人の男女で、押し退けるほどでもなく、すぐに『それ』を視認出来た。 道路にうつ伏せに倒れている『それ』は、見覚えのあるキャラクターのついたスウェット姿で、頭部から僅かに血を流し、顔をややこちら側に向けて倒れている。 『それ』は…紛れもなく『私』だった。 (あれが、私?) (じゃあ今の私は誰?) 『私』を見ている『私』 『私』だった筈の『私』が、今は見知らぬ他人のように思える。
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