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少女は闇の丘で泣いていました。
その丘は灯りがひとつもなく、木々が呪いをかけるようにざわめいているため町の人々も気味悪がり近寄らなくなったので、いつしか闇の丘と呼ばれるようになりました。
少女は闇の丘の暗さに怯えているわけでも、身体の芯がじんと冷える寒さに耐えているわけでもありません。
悲しいのです。ただひたすら、独りであることに涙が止まらないのです。
北風が少女の頬を伝う涙を凍らせようとも、少女は構うことなく泣き続けていました。
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