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ふと、陽気な音楽が少女の耳に届きました。涙を拭い町を見下ろすと、イルミネーションでいつもより一層――それは大事に集めていたガラス玉が朝日の中散らばって落ちていくかのように――輝いていました。
今日は聖なる夜なのだと、少女は思いました。町は幸せに溢れ祝福を謳っていますが、少女には悲しみを加速させる事になってしまったのです。
普段では食べられないような豪華な料理の美味しそうな匂い、讃美歌、子供達の笑い声。
少女にはそれらを分かち合う人が、もういないのです。もういないその人たちを思い浮かべ、少女はまた涙を流すのでした。
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