第六章 砂時計

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「これじゃ……外出れないね」 遠慮気味に話しかける彩乃に「あぁ……」と小さい声で答える慶太。 会話がすすまないまま10秒ほど時間は止まり、2人は同時に喋り始める。 「あの……」「昨日は……」 彩乃は目を逸らして頬を赤く染め、「ごめんなさい」とつぶやく。 「いや、俺の方こそ急に呼び出してゴメン。 昨日の事なんだけど……」 「あっ、昨日はごめんなさい!! あんな場所で急にあんなこと言って……慶太君の気持ちも考えずに私、自分の事ばっかりで……」 頭を深く下げて慶太に謝罪する彩乃。 「その事じゃないんだ……。 白石が言っていたフェイスログの事だけど、俺も同じなんだよ。 全部読ませてもらったけど……」 慶太の言っている事が理解できない彩乃が恐る恐る質問する。 「一緒ってどういう……事?」
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