第六章 砂時計

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8:18 紫色の傘を挿し、思い詰めた表情で学校へ向かっている松浦千沙のスマホが震える。 『こんな朝早くに……誰だろ……』 不審に思いながら千沙がスマホをタップすると、知らないアドレスが表示されていた。 メールを開き、本文を読み進めると同時に心拍数が上がっていく。 まるで心臓が耳に密着しているように、鼓動が早まっていくのがわかる。 【昨晩は早急に白石彩乃のアドレスをお送り頂き誠にありがとうございます。 本日ご連絡させて頂いた内容を簡潔に説明しますと、白石彩乃の自宅へ行って頂きたいと思っています。 彼女は今悩んでいる様子ですので、悩み相談という名目で自宅へ足を運ぶのは安易に実行できるはず。 小学校時代からの友人なら容易いことでしょう。 今日の夜19時までに白石彩乃の部屋に入れない場合は、あなたのお母様に死んで頂きますのでご了承ください。 後、白石彩乃の部屋の音声はすべて私の耳に入る仕組みになっておりますので、部屋に行ったと嘘をついても無駄です。 ご理解頂いていると思いますが、私の事を喋ったらその時点で皆殺しは始まりますのでご注意ください。 では、上記の内容を頭に入れて楽しい1日をお過ごしください】
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