第六章 砂時計

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「あんな宣告をされて自分以外の事を考えられる人間なんて居ない。 それより、本当なのか? 階段から落下した男のスマホに残っていたメールの内容は」 「うん……ちょうどあの少年と話をしていた時間も内容も的確だったから、間違いないと思う……」 「そっか……。お前、放課後予定入ってるか? 予定が無いならあの子供を探しに行かないか?」 「あっ、うん……私の家で千沙と話をする約束しているんだけど……」 「この件は友達に相談とかはしないようにしてくれよ? 変な噂が立っても困るからな。 友達の事を悪く言うつもりはないが、ハッキリ言って俺はあの女を信用していない。 この件の話なら全部俺が聞く。 俺とお前は運命共同体なんだ……。 嫌な運命だけど、事故や殺人で死ぬ場合なら変える事が出来るとあの子供は言っていた。 くだらない未来しか見えない俺は別に死んでもいいと思ってる。 でも、お前が死んだら悲しむ人間はいっぱい居るはずだ。 親も友達も……」 慶太の言葉を聞いた彩乃の目から大粒の涙が溢れる。
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