第一章 香川 慶太

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この二人の間に入ったら、きっと俺が殺される。この時の俺は、自分の命の事だけを考えていた。 数年前まで、いつも美味しい料理を作ってくれた母、いつも遊びに連れて行ってくれた父、その時の俺の頭の中に居る二人は、既に過去の人間になっていた。 そして今、俺は父が母を殺した場所を見つめて座っている。一人になってしまったことを悲しむ感情も無い。ただ、その日その日を目的も無く過ごし、死に場所を探しているだけの毎日。
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