第一章 香川 慶太

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肩に乗っているフケにも気づかない冴えない担任。身なりの手入れが出来ていない自分を問題視することは出来ないのであろうか。ズレ落ちそうなメガネを中指で上げながら、問題の担任は声を張る。 「さぁどうした、分かるヤツはいないのか?ハイレベルな小学生なら解ける問題だぞ」 『今どきそんな問いかけで手を挙げる高校生が居ない事くらい気づけよ……。まず、ハイレベルな小学生って言い回しが低レベルだ』 俺がそんなことを考えながらあくびをしていると、担任は嫌味を混じえて話を続ける。 「理数系のクラスにはこの程度の問題解ける生徒はゴロゴロ居るぞ。よし、そうだなー、今日は六月十日だから……出席番号十六番の斉藤、お前答えてみろ」
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