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「僕は死神でもなんでもない。たまたま出会ったお兄さんに死相が出ていたから教えてあげただけだよ。じゃあね……」
それだけ言ってニコッと微笑んだ少年は俺に背中を向けて歩いていく。
「ちょっと待って、君……名前は?」
俺の質問に少年は顔だけ向けて言葉を返す。
「僕の名前は前田翔馬。人間だから安心してね……お兄さん。でも、ここで僕に出会えたのはお兄さんにとってプラスだと思う。だって、事故や殺人で死ぬのなら、未来を変えられる可能性だってあるんだからね。コレをチャンスだと思って行動すれば、死相が消える事もあるかもね……」
そう言って少年はスタスタと歩いていった。
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