第一章 香川 慶太

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いくら一人が常識的に考えて正しいことをしても、周りの二十人が正しくないと判断を下せば、非常識になってしまう世の中。そんな世の中に何の希望も見いだせないのは、この世で俺だけでは無いだろう。と言っても、そこまで深く考えている人間なんかこの教室には居ない。 大袈裟な事を言うが、刃物を持った男が教室に侵入してきても、学校に隕石が落ちてきたとしても、時間は容赦なく止まらずに流れていく。例えば、たった今俺に話しかけた女子が血を吐いてココで死んだ所で、俺の人生は何も狂いなく進む。この女の時間がココで止まるだけで、俺の時間は止まらない。
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