第一章 香川 慶太

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所詮クラスメイトなど、たまたま同じ学年というだけで顔を合わせた間柄だ。心から信頼し合える関係になんてなれるはずない。まぁ、こんな事を考えてしまう俺が周りから見たら一番腐った人間なのだろう。 そんな事を考えながら机の端にある消しゴムのカスを指で丸めた俺は、授業終了のチャイムと同時に床へ弾き飛ばした。 チャイムが鳴り響くと同時に、腕を枕にして眠っていた男子生徒が起き、机に隠れてスマホでゲームをしていた女子生徒が立ち上がる。 「お前ら受験生なんだから夏休みを遊んで過ごそうなんて考えるなよ!高校三年の夏休みは学力を上げる為だけにあると思え!」 たいした学歴も無い担任が偉そうにそう告げると、メガネを得意げに上げて教室から出て行った。
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