第一章 香川 慶太

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それから三時間、俺は誰とも会話をすることなく授業終了のチャイムを聞いた。 半年前のあの日から、俺に話しかけてくる人間は一部の偽善女子を除いて誰も居なくなっていた。友人“だった”男子生徒から呼ばれていたカー君というあだ名も、今では全く聞かなくなった。 俺がカバンに教科書を詰めて帰ろうとした時、一部の偽善女子が必要の無いお節介を持って俺に話しかける。 「香川君、今日も黒板ノートにうつして無かったでしょ?よかったらこれ……コピーでもして」 そう言って偽善女子は自分のノートを俺に手渡す。
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