第一章 香川 慶太

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「私がこんな事言うのも筋違いだと思うけど、半年前の事件、香川君は何も悪く無いんだから……気にする事ないよ。だから半年前の香川君に……」 偽善女子が言葉を選びながら慎重に喋っている事が伝わってくる。慎重に言葉を選びながら話さなければならないくらいの相手なら、話しかけてこなければいいのにと、捻れた考えをしてしまう俺の口は勝手に開かれた。 「ゴメン、もう俺に関わらないでくれるかな?俺は誰とも話をしたくないし、こんなノートも望んで無い」 そう言って俺はノートを女子に突き返し、背中を向けて帰っていく。
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