執事の日がな一日

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初めまして、こんにちわ 私は、黒神隼人(クロカミハヤト)ユート=二ケル様のお父様、アイザック=二ケル様に仕える執事です 皆様からは黒猫の愛称で呼ばれております 現在はアイザック様に申し付けられ一時の暇を頂き、この学校に1、学生として皆様と勉学に励まさせてもらっております さて自己紹介はこんなものでしょうか 場所は、医務室、時は18時、放課後ですね 今私の目の前には、ご子息とご子息の友人である須田様がベッドで横になっておられます お二人共安らかな,,,とは言い難いうめき声をあげておられます 何があったのでしょう,,, 時折「ヤられる,,」だの「玉が迫ってくるー」だのと聞こえてきます ,,,これは、精神衛生上、起してあげるのが優しさというものでしょう 私は、ポケットから手袋を出しはめると静かに構えます 「フウーー」 そしてお二人の間に立つと静かに深呼吸して 「フッ」 鳩尾に気合の一撃 瞬間、体が跳ね上がるお二人 よかった、お目覚めのようですね が、しかしそう思った黒猫の目が捉えたのはそのままゆっくりと仏のような顔をしたまま倒れ込む二人の御尊顔であった 「おや?力み過ぎましたか」 これは、医務の方に見ていただいた方がよろしいかもしれません そう思った黒猫はクルッと踵を返すとそのまま医務待機所ではなく外に出て行ってしまった そんな彼をカーテン越しに見る銀色の双眼が 「,,,トドメ刺しやがった」 と呟いき、お見舞いに持ってきたいちごミルクを落としたのは語られない話
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