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あんな城には絶対お姫様いるよね?と、戦うのに夢中ですっかり忘れていたくせに白々しくも満場一致した二人は、城に向かって歩き出した。
「あっ!!」
数歩あるいた所で若草が何かを見つけた。拾い上げて青空に見せる。
「青空ー。骨を拾ったぞ?」
若草はそう言うと、青空と一緒に叫んだ。
「「いらねぇよっ!!!!」」
投げ捨てられた骨は、地面に落ちると青白い光を放った。瞬く間にその光に飲み込まれていく。
「え?あの城のお姫様を助けるんじゃないの?」
若草が光の渦の中で首をかしげる。青空は腕を組んで目を閉じた。
「あの城はハリボテだったんじゃないか?」
無精ヒゲの男は「道なりに行け」と言った。あの城に行くには一本道ではなさそうだったから、青空はそう思ったのだった。
若草の「えぇ~っ!?」っという叫びと共に、光はどんどん白さを増していった。
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