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少年は女の子のような顔だけコチラに向け俺に話し掛けてきた。
「こんにちは。そして、始めましてニャー、神崎君。」
変な語尾をした天然パーマの少年は赤いシャツにチェックのベスト、黒い短パンをはいている。
しかも、相手は何故か俺の名前を知っている。
こちらとしては失礼ながら目の前にいる彼とは面識はない。
「ん?あぁ…俺っちの名前は、徳差 和(とくさし かず)。君とは初めて会うが…ニャー…予想していたのとは全く違うニャー。」
「…あんた誰だ?少なくともウチの生徒じゃねぇな。」
ソレを聞いた和は後頭部をガシガシとかきむしってから、はぁぁぁ…と長いため息をつく。
「それ、絶対に聞かれるんだよね。でも残念、俺っちはちゃんとココの生徒だよ。」
和は言うなりベストの胸ポケットから何かを取り出し、俺に向けて投げ付ける。
俺はソレをキャッチし、まじまじと見る。
そこには証明写真…というには、おちゃらけている和の顔が貼ってある。
「これは…ウチの学校の生徒手帳?」
「そうっ!そんでもって俺っちは特待生…分かりやすく言えば1-Sって奴ニャー。」
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