第4章:夏合宿 《出発前》

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少年は女の子のような顔だけコチラに向け俺に話し掛けてきた。 「こんにちは。そして、始めましてニャー、神崎君。」 変な語尾をした天然パーマの少年は赤いシャツにチェックのベスト、黒い短パンをはいている。 しかも、相手は何故か俺の名前を知っている。 こちらとしては失礼ながら目の前にいる彼とは面識はない。 「ん?あぁ…俺っちの名前は、徳差 和(とくさし かず)。君とは初めて会うが…ニャー…予想していたのとは全く違うニャー。」 「…あんた誰だ?少なくともウチの生徒じゃねぇな。」 ソレを聞いた和は後頭部をガシガシとかきむしってから、はぁぁぁ…と長いため息をつく。 「それ、絶対に聞かれるんだよね。でも残念、俺っちはちゃんとココの生徒だよ。」 和は言うなりベストの胸ポケットから何かを取り出し、俺に向けて投げ付ける。 俺はソレをキャッチし、まじまじと見る。 そこには証明写真…というには、おちゃらけている和の顔が貼ってある。 「これは…ウチの学校の生徒手帳?」 「そうっ!そんでもって俺っちは特待生…分かりやすく言えば1-Sって奴ニャー。」
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