239人が本棚に入れています
本棚に追加
「な…ど、何処だ!?」
俺は周囲を見渡す。
だがしかし、どこを見渡しても和の姿は見当たらない。
ただただ電気が弾ける音だけが体育館をこだまし、それが更に俺の不安を強める。
「…避けろよ…加減してるとはいえ、響くぞ?」
「!?」
唐突に俺の背後から声が聞こえた。
そして、それと同時に俺の背中に空気を切り裂くような鋭い音と共に、強力な蹴りが炸裂する。
「がっ!?」
俺は、ろくに受け身もとれないまま吹き飛ばされ、そのまま地面に叩き付けられる。
「ご…っぁぁぁああああっ!?」
痛みは蒸し返るように発生し、俺はソレに堪えるように大声をあげながら地面を転がる。
いくら電気やら速度やらで威力が増したとはいえ、蹴られただけで、こんなに痛みはないはずだ。
「どうだ?神経系にダメージを与えられた気持ちは。」
「神…経系…!?」
「ああ。神経に電気を直接流し込んだんだ…暫くは動けねぇだろ。」
「――っ!!」
確かに全身を通り抜ける電気のせいで、俺は身動きひとつもとれずに地面に、ひれ伏してしまう。
最初のコメントを投稿しよう!