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そうこうしている間にも、背後で一年兵が櫓に登り、大将に攻撃しているのが周囲の声でわかる。
「ヤバイ、起きてきたぞ」
背中に刺さる仲間の声に、次第に焦りで手が震える。
太巻はもう一度迷いを振り切り、ぐっと喉元深く口に入れた。
太巻にとっては初めての体験である。
喉につかえ息苦しさと嘔吐感にボロボロ涙を流しながらも、必死に頬張り頑張る太巻。
次第に反応薄な伊達が目を醒ましたかのように急激な反応を見せ始めた。不思議に思いチラリと目を上げた太巻は、自分を真っ直ぐ見つめる伊達の視線とぶつかった。
何故か戸惑いを隠せず口を離した瞬間…伊達が大放出で発射した。
ソレを見た審判の先生が赤い“合格”の旗を掲げると、その直後、三年生側でも旗があげられた。
三年生の勝利の歓声の中、茫然と我が身に降り注がれた白物に驚く太巻に『先輩の名前は?』と伊達が聞いた。
「う…太巻だ」
「俺は伊達。俺さあ、太巻先輩の泣き顔に萌えちゃったんスよ…もう目茶苦茶ヒイヒイ泣かせてえ。ふふふ…よろしくお願いします」
「はいぃぃい!?」
こうして、今年の『運動會』も静かに幕を閉じていった。
嗚呼…絆愛、嗚呼…絆愛…
絆愛高校ぅぅぅ…ドンドコドン
後日談
最終的にトップになった生徒に、講堂で賞品が贈られた。
寮に戻りこっそり開けてみると…
『激レア!大田原権蔵、添い寝CD~今宵は貴方とともに…~』
「………」
好奇心旺盛なお年頃。
見るからに開けては危険とわかりつつ、禁断の扉は開かれた…
それから数日後、闇取引で広がったコピーCDにより、眠れぬ夜を過ごす生徒が続出。
ついには大多数の生徒がトラウマとなり大問題に…
これにより1週間の学校閉鎖となる。
漢の道はひたすら厳しい。
嗚呼…絆愛、嗚呼…絆愛…
絆愛高校ぅぅぅ…ドンドコドン
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