第一章 即興劇『茶飲み話』

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カオス学園の朝は早い。というよりむしろ私の朝が遅いのだろう。 私が住居代わりに用いている旧校舎第三図書室の柱時計が朝8時を指す頃、何やら遠からぬところで爆発音と悲鳴が聞こえてきた。 簡単な補足をしておくと、普段授業をする校舎が市街地中央に位置する不思議素材建築の新校舎。 私のいる木造旧校舎はほとんど人も立ち寄らず、鬱蒼とした森に囲まれた秘境とも呼べる場所に建っているのだが…… どうやらまたあの総会長(ニート)が逃亡ルートを変更したらしい。 確かに追っ手にこの森は大変なのだろう。悲鳴と高笑いが断続的に聞こえ、やがてその声がだんだんと近くに聞こえてくる。 気になり窓から身を乗り出すと、総会長と数名…いつものメンツが旧校舎に入ってくるのが見える。
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