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現在時刻8:30。
西島隆弘、走っています。全力で。
西「遅刻だぁああああああ。」
ただひたすらに走りながら前だけに集中していると
ふと、見覚えのあるスクールバックが曲がり角から見えている。
西「…なんで?」
でもまだ本人だと決まったわけじゃない。
必死に呼吸を整え、そっと角を曲がる。
西「…宇野……ちゃん」
そこにいたのは、愛しい愛しい人で。
彼女は、俺を見るなりプイっと後ろを向いてしまった。
西「なんでいる…の?」
それもそのはず。
俺が起きたのは8:00ごろ。
SHRが始まるのが8:15。
学校まではここから30分ほどかかるので、今の時点で完全遅刻。
そして
西「うおぉ!やっべ、宇野ちゃん」
ケータイを開くとすでにメールや着信でいっぱいだった。
"今どこ?"
"学校遅れちゃうよー"
"私、先行くね。"
先に行くと言っていた彼女が曲がり角で待っていた。
…そんなの驚くに決まってる。
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