4日目

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
俺は殺し屋をやっている。 突然で申し訳ない。まあ正確には殺し屋、というより、人口を減らすように頼まれた国公認の殺人鬼、みたいなものだ。世間的には秘密らしいが。 まだ新米で、人は一人しか殺していないが。 この仕事についてからはまだ7日しか経っていない。 まあ何故この仕事に就いたかを説明しようじゃないか。 まず、俺はこの仕事になる前は普通の会社員だ。あ、そうだった。歳は29歳。結婚して子は今8歳だ。家族には公務員と言っている。 まあとにかく1年前に父親が殺された。凶器は見つからず、恐らく包丁のような大きさの刃物らしい。 俺はかなり悲しんだ。と思う。 少なくとも泣いたし、犯人に怒りを覚えた。 しかし警察は全く捜査する気がなく、次は警察に怒りを覚えた。さらにその後は犯人を見つけてやろうと思って、捜査している内に、親父が死ぬ10日前からこの仕事に転職したと言う事が分かった。 だからこの仕事に入った。親父を殺した奴の手がかりが掴めると思って。 この仕事を国公認の殺人鬼みたいなもの、と言ったが、実際は少し違う。 殺していいのは国から届いたリストに載っている人のみ。 国公認でもその場で捕まり、通報されれば逮捕、命令無視もその場に警官が駆けつけ逮捕だ。そして大概が死刑を執行されるらしい。死人に口無し、と言うことだろう。 だが一度殺してしまえばこちらの勝ちの様なもので、アフターケアなどもしっかりしていて、包丁をその場に置いてきても後で回収してくれるらしい。 因みに国家公務員扱いだ。 今日は仕事もなく暇だった。これで俺の4日目は終了する。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!