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「こちらでございますわぁ!!」
何を思ったのか紫子はにこっと笑顔を輝かせ、薄暗い小さな路地へと足を進めていく。
大通りの賑やかさは遠くなり寂しさだけが細く続いている。
「どこまで続いているのでございましょうねぇ…」
紫子はジャングルの中を探検する若手お笑い芸人のようにジョルジュ・フランソアーズ・マサドニアにひそひそ声でつぶやいた。
「ブーブーブー…」
「そうでございますのねえ?(フフフ)」
「ブーブー・ワン!!」
「えぇっ、本当でございますのぉ?」
ジョルジュ・フランソアーズ・マサドニアのいうとおりに耳を澄ませてみる。
すると、何やら声がする。
近づいていくにつれ声は大きくなり、それが怒声であることに気付く。
「喧嘩?…で…ございますのぉ?」
紫子は歩をゆるめ声のする方を見た。
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