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紫子の足はすくんでしまい、今にも座り込んでしまいそうである。
そのとき…
ゴロゴロゴロ…と
一人の男の子が転がり出てきた。
紫子ははっとして息をのむ。
すると、うずくまったままの男の子に、5~6人の男たちが一斉に振り向き
「にげるな…こらぁっ~!!」
と男たちの怒声がビルの間を激しく揺らす。
そこにジョルジュが素早く、うずくまった男の子の前に立ちふさがった。
薄暗い路地を冷たい風が吹き抜ける。
「だめですわぁ~!!」
気がつくと紫子は電信柱から飛出し叫んでいた。
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