15人が本棚に入れています
本棚に追加
/168ページ
彼は口をゆっくり開き、何か言おうとしているが声が出ない。
「どこか痛いのでございますのぉ?」
何度も殴られたり蹴られたりしたのであろう?
顔はボコボコに腫れ、口角からは血液がにじみ見るからに痛々しい姿である。
そのような姿でも彼が美少年であろうことは容易に想像ができた。
ジョルジュは彼が気になるのか体中に鼻をすりつけ「ブーブー…」と匂いをかいでいる。
…何ですのぉ?!…
突然、空気が張り詰め、紫子は体をこわばらせた。
先ほどまで微動たりしなかった3人が一斉に紫子に襲い掛かってきたのだ。
ジョルジュもあわてて振り向く。
…間に合うのでございましょうかぁ?!…
最初のコメントを投稿しよう!