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「あ~!」
」あ~!」
二人は同時に声を上げ、そして倒れこんだ。
アスファルトから制服を通して冷たさが伝わってくる。
それとは対照的に隣から彼の体温も感じる。
…なんなのでございましょうぅ?…
…この温もり、とても気持ちが安らぎますのぉ…
それと同時にやってくる胸の高まり…
お父様ともお兄様とももちろんお母様とも違う。
脳までゆで卵みたいに固まってしまいそうな感覚。
…お・おお顔がちこうございますぅ…
どぎまぎしていると
「あ…ごめん…一緒に転がっちゃったね」
といって彼はアスファルトに手を付き
紫子の上に体を重ねる。
さらに近づくお顔は真剣で、歪んだ眼鏡も整った顔を引き立てるのに一役かっているようで、そのアンバランスさに紫子の心は吸い寄せられていく。
「……………」
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