天上院雅直彦の苦悩(?)

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 「トャァーっ!」 雅直彦の刀が雷のごとく光を発し鞘におさまる。 竹は切られたことも気づかず、静かに落ち行く。 人であればおそらく痛みが脳に伝達される前に、あの世に送り届けられていることであろう。 息一つきらさずたたずむ雅直彦は竹林に溶け込み美しき絵画になっていた。
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