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雅直彦は
…これではっ!…
と気を戻し、そのゴツゴツした体から後ろ髪を引かれる思いで彼をお姫様だっこし飛び退いた。
大熊の爪は間一髪で空を切り、その風圧で彼の前髪が揺れた。
…あぶなかった…
雅直彦は彼をそっと柔らかそうな草の上に下ろし大熊に向かい合う。
大熊は体制を整え次の攻撃態勢に入ろうとしている。
雅直彦も素早くそしてしなやかに刀にそっと手を添えた。
目を軽くつむり大熊の気配だけを感じることに集中した。
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