天上院雅直彦の苦悩(?)

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キリッとしまった風の音… それに漂う獣のにおい… 視覚を遮断すると感覚は鋭くなり普段は見えていないものが見えてくる。 アリの足音まで聞こえてきそうである。 大熊は右手を大きく振り下ろす。 雅直彦は殺気を感じ体を右側にそらせ、爪は空を切る。 「ブンッ!」と耳のすぐ横の風を切り裂く! 当たっていれば命の保証はない。 先ほど受けた首筋の傷が悲鳴をあげるがかまっているわけにはいかない。
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