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雅直彦は美少年の安堵した表情を見て自らも緊張が溶けていくように感じた。
それは、春の柔らかい日差しを浴びる氷のように雅直彦の心の冷え固まった部分を徐々に溶かしていく。
そしてその液体は熱を持ち始め、沸々と煮えたぎる溶岩となり胸を突き破る勢いである。
…何なのだ?…
雅直彦にもわからない押さえきれない感情が自分を突き動かそうとしている。
…理性?
常識?
家柄?…
そんなものは今ここにあるエネルギーの前では無意味なのだ。
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